和紙と人間の輪廻
和紙は「漉く」と言う言葉だけでは表現できない、何か技術以上の別の力に導かれて作らされているような気持ちになります。新しい生命を「生まされている」と言ったほうが良いのかもしれません。
漉き槽に向かって一心に和紙を漉いていると、そのリズミカルな「漉き波」の波動は、和紙が漉きあがる瞬間に「生命」を感じます。
和紙と人間の輪廻
薩摩伊作和紙創形は鹿児島ICに隣接した西陵にあります。
ここはかつて西郷隆盛が狩猟で駆け回っていた丘陵地帯で、「西郷野屋敷跡」がある地域です。
伊作和紙の原料の楮の木は伊作で栽培されています。
●伊作和紙の起源については「製紙業の起源は往昔日新公時代に興れり公は営代の明主にして貧困士族、輩に産業を授けんと欲し斯業を興されしと云ふ」(伊作村是(坤)より)、
今から約500年ほど前に日新公(島津忠良)が伊作郷の武士のために和紙づくりを創始したと記録されています。このため伊作和紙は鹿児島で最も歴史の古い和紙とされています。
●寛文時代、牧田甚四郎より指導を受け、さらなる技術発展を図りました。
●元禄初年(1688年)から薩摩藩は伊作和紙を保護政策とし、楮蔵という
原料貯蔵庫を創設し、御用紙を納めた残りに品位等級を定めて
一般庶民にも払い下げました。
これ以降、伊作和紙は全国に知られ、昭和の初期まで伊作の地域住民はその恩恵を受ける事になりました。
●その後、伊作では少人数ではありますが技術が受け継がれ、近年では寺原一二氏と子息、寺原裕氏が最後の和紙製造職人として操業をしていましたが、その後伊作和紙は2004年に寺原裕氏から、薩摩伊作和紙創形の創始者 種子田に伊作和紙の紙すき技術が継承されました。
さらに2006年に「薩摩伊作和紙を復興する会」を結成しました。
●「薩摩伊作和紙を復興する会」は2011年に伊作和紙の展示会等を機に、
2019年に「薩摩伊作和紙創形」にもその技術が受け継がれました。
貯蔵している何種類もの紙料(原料)から和紙のデザインと加工方法を決め、 自然のままの楮の木の素材を生かし和紙を作ります。
昔ながらの紙すきの技法「流しすき」をベースにし、新しい和紙アートの技法や
独自に考え出した技法など、あらゆる和紙すきの加工技法を駆使して
和紙に息吹を与えます。特別サイズの注文を受けた場合は「スゲタ」から作り、和紙を作ります。
薩摩伊作和紙創形は現代生活にマッチした和紙作りや造形を目指します。
2種類のランプを納品。
学生のみなさんにお手伝いいただき、大型の和紙5枚を作成してNHK様に納品。
●住所 |
【工房】鹿児島市西陵7丁目18番13号 【楮畑】鹿児島県日置市伊作など各地 |
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●駐車場 | 駐車場 3台可 |
●電話 | 099-281-4919 |
●メール | sakurajima@sakurajima.tv |
●ご案内 |
※和紙活動のため外出していることが多いですので、 事前にメールまたはお電話をお願いします。 |
和紙作品はすべてオーダーメイドです。
注文をご検討される方のために和と洋のギャラリーがあります。
展示品を見ていただき、イメージを膨らませていただいています。
お問い合わせはお電話またはメールでご連絡ください。
・電話番号:099-281-4919
・メール:sakurajima@sakurajima.tv
1.伝統的な和紙の原料作り、和紙制作まで指導します。
2.近代的な建築や店舗にマッチする和紙の造形やアート作りを指導します。
3.研修合宿(和紙制作)を1泊2日よりお引き受けいたします。(個人研修可)
現在は白蟻の被害により、薩摩伊作和紙創形(鹿児島市)で活動中ですが
思い出深いすばらしい工房でしたので写真をここに残しております。
工房のあった日置市日吉は、鹿児島市の隣町、車で30分。
薩摩半島の真ん中からやや西側の吹上浜と
東側の山々に囲まれた海と山の自然がいっぱい残された地域でした。
和紙の原料の楮の木があちこちに残る集落は 山あいの奥まったところにある 戸数10戸ほどの小さな集落でした。
ここに釜戸やいろりのある古い民家の提供を受け、1年半かけて手作りで改装しました。
馬小屋を紙すき場に、母屋は展示場に改築して伊作和紙の工房を2005年復興しました。
現在は薩摩伊作和紙創形で制作を続けられている心の原点になっています。
↓動画は下記の▶をクリックして再生してください
思い出の伊作の古民家工房